2017年6月2日(金)〜6月7日(水)
「生物画展」
日隈和久

頭に浮かんだ生き物を捕獲し、標本画のように画面に定着する作業を開始して、約 1 年。 そこから集積されたイメージはとりとめもなく、すこし手に負えなくなりました。 人間の未来の形はどうなっているのだろう? 昆虫や、魚類のように、数億年もの間、形を変えずに存在する生命体に、体の一部を変化させ たら最強じゃないか? 空を飛び、地中に潜り、海底に潜み、無駄のない代謝機能と、攻撃性を持った生物に、人類が 進化しているかもしれない。生殖 / 交配による遺伝的な変化、進化に意味はなく、作為的な改 造が、遺伝子操作などで簡単に行われ、飛躍的な発達が成されるにちがいない。 また、個のアドバンテージを求める反面、あるものは慈愛により、他の人間の食料になるよう な体躯をわざわざ開発し、アイデンティティーを求めるかもしれない。
あぁキリがない。 答えは遠い雲の上かもしれません。 さて、この機会に、捕獲した生物 (イキモノ) 画を、展示させていただけることになりました。 どうぞお誘い合わせのうえ、ふるってご参加、ご高覧くださるようお願い申し上げます。

Kazuhisa Higuma
Born in tokyo, Japan in 1959. Worked for Japanese advertising and design production Bear’s Inc as a
Representative director/creative director/art director. Began painting on acrylic on canvas since last year.
“ Awards ” 1982 PARCO Japan Graphic Awards. Competition selected. 1985 Gold Picture Book Award(kin no ehon syou). Competition selected 2016 Modern Artists Association. Competition selected 2016 Daiithi bijyutu Association. Competition selected 2016 Kanagawa Prefecture Art Exhibition. Competition selected and more
HP http://higuma.net/higuma_art FB https://www.facebook.com/kazuhisa.higuma

檄文
タマグラ(多摩美術大学グラフィックデザイン学科 )時代の朋友、アートディレクター&デザイナーの「ヒグマ」が個展をやるという。それもポスター展とかではなく絵画展。「ヒグマ」の タマグラ時代の描写力はピカイチで、タマグラ名物、基礎課程絵画表現演習においては他の学 生の追従を許さない、まさに神ってる「ヒグマ」であった。そこから一転、タマグラ卒業後は 広告及び出版等のアートディレクター & デザイナーとなり、グラフィックデザインの分野で輝 かしい実績を残してきた。その「ヒグマ」が再び絵画に戻ってきたというわけだ。一年程前に 絵を描きたいという衝動にかられて、描き 始め、描く絵のサイズも50号、80号とだんだん大 きくなってきているという。その衝動の要因には社会的な背景、個人的な事情などがあったの かもしれないが、そんなことはどうでもいい。60歳近い人間が絵を描きたいという衝動にから れること自体がかなり素敵なことなのだから。そしてその後の作品を作り続けていく持続力。 そのエネルギーの喪失量たるは若者が作品制作をする場合よりもかなり大きいものであるはず だ。しかし、そのエネルギーの喪失なんていうマイナス要因も「ヒグマ」にとってそれはすで にどうでもいいことになっていて「絵を描いている時は楽しい。」といってしまえるぐらい、「ヒ グマ」にとってプラスの状況に転化させてしまった。そんなわけなので、今回の「生物 (イキモノ ) 画展」は純度の高い、類稀な本物の展示だ。エスプリの効いたタイトルはもとより、近未来的 な不思議な世界を、学生時代から全く衰えていない巧みな筆致で描いた数々の素晴らしいアク リル画。それはポップでクレイジー & アメイジングでワンダフォー ! 是非ともペーターズ・ギャ ラリーに足を運んで生の「生物画」と向き合って堪能していただきたい。そしてさらに、精力 的に描き続けるであろう「ヒグマ」の今後の活躍にも大いに期待しよう。
スージー甘金



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