ペーターズギャラリーコンペ2006 受賞者のお知らせ

ペーターズギャラリーコンペ2006にご応募頂いた皆様ありがとうございました。
審査の結果をご報告します。
応募者数…439名
応募総点数…1190点
・受賞者
有山達也賞…佐藤昌美(埼玉)
井筒りつこ賞…佐藤紀子(東京) 
片桐淳一賞…みずうちさとみ(東京)
ペーターズギャラリー賞(審査:安西水丸)…森本ふみ(東京)
(敬称略順不同)


■審査を終えて各審査員の声と最終選考対象者

有山達也賞/佐藤昌美(さとうまさみ)
「上手い!」という訳ではないけれど、絵から気持ちを感じました。
はっきりとした表情が描かれているわけではないのに、そこから虚ろな心情のようなものがよく伝わってきて、強い絵ではないけれど逆にこちらが歩み寄って行きたくなるような魅力があります。

有山達也さん総評

全体的に、かわいかったり、ファッショナブルだったり、キャラクターぽかったり、分類しやすいイラストレーションが多かった。そのなかで残っている作品って、どうしてこれを選んだんだろうって、自分でも思うようなものが意外と多いんです。描いている人の性格や気持ちが感じられる絵が好きなんでしょうね。本人が狙っていないからこそ出てくる良さがあるような、そんな絵って気になりますよね。人物だけをきちんと描いているイラストレーションが意外と少なかったです。絵を見ていいなぁと思う人にすぐ仕事をお願い出来るかというと、それとはまた別の目で今回審査をしました。仕事の場合には、自由に描いてもらいながらも、与えられたテーマに対していろいろと自分なりに考えてくれる人がいいですね。

予選突破 海谷泰水(東京)、岡田里(東京)、岡田玻瓏鑛(京都)、平尾直子(東京)、西村圭介(愛知)、上路ナオ子(神奈川)、高野桂太(東京)、ササオカヨウスケ(神奈川)、山口珠瑛(京都)、三谷孝幸(滋賀)、石本真裕子(神奈川)、青松拓馬(大阪)、ハラアツシ(東京)、上條美香(長野)、おのめろん(東京)、安部瑞季(千葉)、宮本澄海(茨城)
※佐藤昌美さんは昨年のペーターズギャラリーコンペ2005で審査員の井筒啓之さんと祖父江慎さんのダブル賞にも輝き、今回3つめの受賞です。

 
井筒りつこ賞/佐藤紀子(さとうのりこ)
色もカタチも、清潔で新しい印象がありました。小学生の女の子がするようなデフォルメなんだけど、やっぱり小学生が描くとこうはならない。
同じようなパーツで構成されているんだけど描かれている人が全員違った表情をしているのも魅力的です。手とボディーラインの間の空間とかすごい計算されている。か、もしくはものすごくたくさん描いたなかの五枚なのかもしれませんね。絶妙なバランスが最初から気になっていました。

井筒りつこさん総評

一枚のみの人が案外多くいましたが、一枚だけではちょっと判断しづらい。総合的に考えれば、せめて三枚くらいあると力もわかっていいですね。
逆に枚数があってもタイプが全然違うものを出されるとちょっと困るかな。一枚の絵だけで見ればいい作品は他にもありましたが、今回は、出された作品全体の質が高かった人を選びました。

最終選考 竹井千佳(東京)、井上文香(東京)、七目鳩子(埼玉)、トリイツカサキノ(東京)、上路ナオ子(神奈川)、大場 綾(東京)
一次審査 野本理香(東京)、村上朋子(東京)、正一(神奈川)、西村圭介(愛知)、会田菜美(埼玉)、小野亜希子(茨城)、HITO(静岡)、
宮本澄海(静岡)、田嶋健(長野)、林真世(神奈川)、タケウマ(京都)、鳥居龍一(東京)、阪田洋一(京都)、宿谷フミコ(東京)、
五味朋子(東京)、入江マキ(東京)

 
片桐淳一賞/みずうちさとみ
品のよさ、清潔感に、まず目を引かれました。布に刺繍。丁寧な仕事ぶりですが、そのことが前面に出ているわけでなく、むしろ、しっかりしたフォルムや軽快な色感に力量を感じます。涼しげで、明るく、爽やかで、心地のよいイラストレーションだと思います。

片桐淳一さんの総評

多くの応募作品の中から、一人を選ぶのはとても難しいと感じたので、ザ・チョイスと同じようにまず十人を選ぶことにしました。今回、最終審査に残ったみなさんは、ザ・チョイスでいうところの「入選」です。ペーターズショップアンドギャラリーが主催するコンペですから、今ペーターが生きていたらどんなイラストレーションを描いているだろうと考えながら審査しました。応募するみなさんも、ペーターに想いを馳せながら勉強しているのでしょうね。彼の足跡からは多くのことが学べると思います。このコンペを通じて、いつかペーターの後継者が生まれることを期待しています。

最終選考 市川彰子(東京)、林真夜(神奈川)、ユリコフカワヒロ(京都)、箭内理一郎(東京)、鈴木成未(神奈川)、平佐実香(兵庫)、オビカカズミ(香川)、こまきまこ(神奈川)、新目 恵(東京)

 
PATER'S Gallery賞
審査:安西水丸/森本ふみ(もりもとふみ)
イラストレーションとして色々なところで使えそうな雰囲気があります。女の子ひとり描かせてもとてもいいものになりそう。小説の挿絵なんかにも合いそうですね。

安西水丸さん総評

大変な力作もあったけれど、すこし的が外れてしまった作品が多かった。ちょっとしたことなんだけど、自分の絵の良さをきちんと理解してもらえる人に出会えずに進んでいってしまうと、自分勝手な判断でとんちんかんなところに陥りがちです。絵の良さを伸ばしてくれる人に出会うということも、作品づくりと同様に、とても大切なことだと思います。そういう意味では、最終選考に残った人たちは、いずれも自分のイラストレーションとしての作品が出来上がっていました。

最終選考 中牟田佳枝(福岡)、田嶋健(長野)、田中かおり(埼玉)、小原昇(神奈川)、棟方早苗(神奈川)、米山夏子(東京)、亀澤裕也(東京)、ながたに睦子(神奈川)、藤元真由美(東京)、サタケシュンスケ(大阪)


■審査員プロフィール

安西 水丸
(イラストレーター)
1942年東京生まれ。日本大学芸術学部美術学科造形卒業。電通、ADAC
(ニューヨーク)、平凡社を経て現在に至る。朝日広告賞、毎日広告賞、87年日本グラフィック展年間作家優秀賞、88年キネマ旬報読者賞受賞。著書多数(絵本、漫画、エッセイ、小説など)。TIS、JAGDA、日本文藝作家協会、日本ペンクラブ会員。
ペーターは優れた才能の友人でした。彼の名に恥じない作品を期待しております。
 
有山 達也
(アートディレクター・デザイナー)
中垣デザイン事務所勤務後、アリヤマデザインストア設立。「マルコポーロ」のデザインに参加する。その後「ERiO」、「store」、「ゆめみらい」などのアートディレクションを担当。現在は「ku:nel」、「どうぶつと動物園」などエディトリアルを中心としたグラフィック全般のアートディレクション、デザインを担当。その他「一九七二」、「100の指令」、「路上の人」、「東京飄然」、「じゃがいも料理」、「きょうの猫村さん」などがある。
 
井筒 りつこ
(イラストレーター)
長沢節主宰セツ・モードセミナー卒業。1991年雑誌「CREA」にて初仕事。00年ドローイング集「井筒律子ドローイング集」出版。TIS年鑑’01〜’02一般公募金賞。TIS会員
 
片桐 淳一
(『イラストレーション』誌 編集長)
1947年生まれ。上智大学文学部・新聞学科卒業。メーカー宣伝部を経て、71年玄光社に入社。79年『イラストレーション』誌創刊に際し、同誌編集部へ。90年より編集長、現在に至る。



ペーターズギャラリーコンペ2006 作品募集要項

テーマは「人」 人物を題材としたイラストレーションを募集します。
おかげさまでペーターズギャラリーは今年、オープン20年目を迎えました。



PATER SATO

審査員 ・安西水丸 (イラストレーター)
・有山達也 (アートディレクター・デザイナー)
・井筒りつこ(イラストレーター)
・片桐淳一 (「イラストレーション」誌 編集長)
 ABC順敬称略
応募作品の中から4人の審査員が各1名を選出、受賞者による作品展を当ギャラリーにて行ないます。 (2006年9月8日〜20日予定)
※今回、ギャラリーオープン20年を記念して、ペーターズギャラリー賞を選びます。なおペーターズギャラリー賞は、生前ペーターとも親交の深かった安西水丸さんに審査をお願いしました。
受付期間 2006年6月3日(土)〜14日(水)12:00〜19:00
入賞者には6月末までにご連絡します。
作品サイズ等 B3サイズ以下。画材自由。点数制限なし。立体・半立体作品は保管の都合上写真等でご応募下さい。
※破損防止のため作品には必ずボード等台紙を付け、透明フィルムをかけてください。(トレーシングペーパーは破れやすいので、市販のアセテートフィルムなどをご利用ください)
額装不可。
出品料 2点まで3,000円、3点目からは1点につき1,000円
(例:5点応募の場合、計6,000円)、無記名の定額小為替証書(郵便局で購入可能)で作品と共に搬送して下さい。
直接搬入の方はギャラリー受付にて現金でお支払い下さい。
※応募者の都合による出品料の返金は致しません。
搬入搬出 作品の裏面に1.氏名(フリガナ) 2.年齢 3.住所 4.電話 5.メールアドレス 6.職業 7.応募点数の何枚目にあたるか 8.作品返却の有無 9.使用画材 、を記入し直接搬入または搬送して下さい。郵送返却希望の方は返送用封筒と返送先を記入した「着払い宅配伝票」を同封して下さい。
直接搬出希望の方は7月7日〜25日(12:00〜19:00) までの間に取りに来てください。
※搬出期間を過ぎた作品はお預かりできません。搬出日に来られない方はご連絡ください。
応募先 ペーターズショップ アンド ギャラリー
〒150-0001東京都渋谷区神宮前2-31-18
Tel:03(3475)4947
Fax:03(3408)5127
応募用紙はコチラをプリントアウトしてご利用ください。

■審査員プロフィール

安西 水丸
(イラストレーター)
1942年東京生まれ。日本大学芸術学部美術学科造形卒業。電通、ADAC
(ニューヨーク)、平凡社を経て現在に至る。朝日広告賞、毎日広告賞、87年日本グラフィック展年間作家優秀賞、88年キネマ旬報読者賞受賞。著書多数(絵本、漫画、エッセイ、小説など)。TIS、JAGDA、日本文藝作家協会、日本ペンクラブ会員。
ペーターは優れた才能の友人でした。彼の名に恥じない作品を期待しております。
 
有山 達也
(アートディレクター・デザイナー)
中垣デザイン事務所勤務後、アリヤマデザインストア設立。「マルコポーロ」のデザインに参加する。その後「ERiO」、「store」、「ゆめみらい」などのアートディレクションを担当。現在は「ku:nel」、「どうぶつと動物園」などエディトリアルを中心としたグラフィック全般のアートディレクション、デザインを担当。その他「一九七二」、「100の指令」、「路上の人」、「東京飄然」、「じゃがいも料理」、「きょうの猫村さん」などがある。
 
井筒 りつこ
(イラストレーター)
長沢節主宰セツ・モードセミナー卒業。1991年雑誌「CREA」にて初仕事。00年ドローイング集「井筒律子ドローイング集」出版。TIS年鑑’01〜’02一般公募金賞。TIS会員
 
片桐 淳一
(『イラストレーション』誌 編集長)
1947年生まれ。上智大学文学部・新聞学科卒業。メーカー宣伝部を経て、71年玄光社に入社。79年『イラストレーション』誌創刊に際し、同誌編集部へ。90年より編集長、現在に至る。
 

2006年現在



 
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