ペーターズギャラリーコンペ2017 受賞者のお知らせ

ペーターズギャラリーコンペ2017にご応募頂いた皆様 ありがとうございました。
審査の結果をご報告します。

テーマ「人」。人物を題材にしたイラストレーショ ン。
サイズ B3サイズまで。点数制限なし、画材自由。

審査員

有山達也(グラフィックデザイナー)
サイトウユウスケ(イラストレーター)
鈴木成一(グラフィックデザイナー)
山口はるみ(イラストレーター)
【敬称略・五十音順】

応募作品の中から各審査員が上位3名を選出し、賞を決定。
受賞者による作品展を当ギャラリーにて行ないます。 (2018年2月)

応募人数  406名
応募作品数 1195点

審査結果

有山達也賞/樋口忠義(栃木県)
サイトウユウスケ賞/岡野賢介(埼玉県)
鈴木成一賞/小山義人(東京都)
山口はるみ賞/大谷美保子(東京都)
有山達也賞次点/印南綾乃(栃木県)辻川奈美(東京都)
サイトウユウスケ賞次点/武田あずみ(静岡県)辻川奈美(東京都)
鈴木成一賞次点/青依青(愛媛県)丸山一葉(群馬県)
山口はるみ賞次点/川井純子(東京都)渡辺一美(東京都)
※敬称略

■審査を終えて各審査員の声と最終選考対象者

有山達也賞 樋口忠義(ひぐち・ただよし)
職業がイラストレーターではないからなのか、一見してイラストレーションという枠からはみ出た感じを作品から受けました。 こう描かなきゃいけないみたいな、自分の画風や手法に捕われている人が全体的にとても多い中で、そこにこだわりがなく、描きたいものを描きたいように描いている。それがまっすぐにこちらに突き刺さってくるんです。 ご本人が、この絵を職業としてイラストレーションを考えているのか、そのあたりがわからないのでコメントが難しいですね。古き匂いのする絵ですが、それが逆に新鮮で長い時間に耐えうる絵だと思います。 人物の顔も良く、ぐっと引き込まれる作品でした。
   
有山達也賞次点  
印南綾乃(いんなみ・あやの)  
挿絵のようにある場面を切り取っているのだと思いますが、その場面の行間を描いていて、見る側がそれを想像するのがとても楽しい。そんな作品でした。 スタイルの良い女性ではなく背中や腕の肉がちょいぽちゃなところや、スリッパと男の子の履いている靴とかが妙にリアルでとても良いと思います。
   
辻川奈美(つじかわ・なみ)  
ひと言でいうと気持ち悪い。盲目的で、近視眼的。まわりを気にせず自分の世界に入り込んでいるパワーが凄いと思いました。果たしてイラストレーションとしてこの絵が良いのか危うい部分ですが、それこそがとても魅力なのかもしれません。 気持ち悪いというのは、僕にとっては褒め言葉で、それを一番感じる作品でした。こういう風にみんなが描いてほしいとは全く思いませんが、情報が遮断されているようなこの絵は、やっぱり魅力的だと思います。
   

有山達也さん総評

審査をして感じることですが、既視感のある絵が多いです。 世の中でどういうものが評価されているのか、ネットなどで調べていると思うのですが、そこで得た情報のコントロールが上手くいっていない人が沢山いるように思います。 良いと思うイラストレーターの絵を無意識に真似してしまっています。「まねる、まねぶ、まなぶ」がしっかりと順序立てていれば良いのですが、中途半端な「まねる」で描いてしまっている絵が多いのかな。  それと、アニメっぽい絵がとても増えていますね。アニメーションとイラストレーションに境界があるのかもわかりませんが、こちらもそのあたりをどう捉えたら良いのかが難しく、 モヤモヤといつも気になっています。  そんな中で、僕が良いと思う人たちは良くも悪くも情報に左右されてない。それが僕の判断基準であるかもしれません。 目に留まった作品の応募要項を見ると、東京以外に住んでいる人が多い。地方だから情報が遮断されているというのではなく、 あまりつるんでないというか、「描く」という行為が単純に好きなのかもしれません。そういう絵はやはり力強い。 誌面上で役に立つということがイラストレーションの一つの使命だと思うので、純粋無垢な気持ちで描いている絵は強いけれど、危うい部分もあります。「良い絵=良いイラストレーション」ではありません。良い絵も良いイラストレーションにも、それぞれ良さがあって、今回はとても難しかったです。 僕の中でそのあたりの判断基準が不安定だったところもあります。 単純に僕の好きな絵が残ったわけで、これでお仕事が来るかというところでは全く保証できません。  画風や手法が安定し評価されてしまうと、それに捕われて他に踏み出せなくなる人が多いですよね(デザイナーも同じですが)。そうすると絵が小さくまとまってしまう。イラストレーションとしては安定し仕事もある程度は来るでしょうけど、そういうのを気にしないで、もっと実験したり、使ったことのない画材を使って、チャレンジしてもらいたいです。 そういうチャレンジできる仕事の場がもっと沢山あると良いのですが……。そのあたりはこちらの責任でもあると思います。  それと、人は描けた方が良いです。人が描けないといずれ仕事の幅が狭くなります。これは常々思っています。明らかなテクニカルイラストレーションを除けば、人というモチーフはイラストレーションの中でずっとずっとつきまとうものです。

有山達也さん最終選考
最終選考者…大木貴子 坂口友佳子 菅幸子 渡辺晶子 相馬涼 スズキタカノリ 吉田裕美(東京都)近藤みか(埼玉県)藤木拓也(大阪府)銀杏早苗(広島県)

(有山達也さんの審査のながれ 一次審査→最終選考)


 
サイトウユウスケ賞 岡野賢介(おかの・けんすけ)
 

すでに作品に安定感がありつつ遊び心も感じられ、審査中の作品の中でも堂々として見えておりました。と同時にイラストレーターとしての伸び代も感じております。今後の活躍への期待感をもって選出いたしました。

   
サイトウユウスケ賞次点  
武田あずみ(たけだ・あずみ)  
見れば見るほどに、徐々に引き込まれていく謎の引力を感じました。
妖艶なグラデーションと美しい曲線は魔力です。
   
辻川奈美(つじかわ・なみ)  
作品の世界の中に入りたいと思いました。緻密に描かれつつもスケールとパースの狂いの妙が空間とを生み、息苦しくなることなくいつまでも見ていられます。
   

サイトウユウスケさん総評


他のコンペでもいえますが、全体的におとなしい雰囲気の作品が増えているように感じました。都内のギャラリーで展示されてる若い作家の作品を鑑みるに、時代性によるものというよりはコンペに出す層の片寄りなのかもしれません。これはある意味、次回のコンペでの突破口の可能性でもあると思います。今回、応募しなかった人も要検討事項です。 どのような作品であれ、よく鑑賞すれば面白みや発見があります。しかし今回の入賞作品は「イラストコンペでイラストレーターがイラストレーターを選ぶ」という視点で選出しました。イラストレーションが持つ時代の雰囲気、機能性、拡張性がポイントです。次点は興味と好みで引き寄せられてしまいました。

サイトウユウスケさん最終選考
最終選考者…小山義人 庄野紘子 相馬涼 友澤健太郎 吉田裕美(東京都)糸井みさ 長谷川七海(埼玉県)丸山一葉(群馬県)みずのともゆき(大阪府)太田遥香(三重県)竹田明日香(兵庫県)白土義実(福岡県)※「土」は土に点

(サイトウユウスケさん審査のながれ 最終選考)

 
鈴木成一賞 小山義人(こやま・よしと)
一昨年か昨年か、他主催のコンペでも気になっていました。その時は リュック・タイマンス?とも思いましたが、今回の応募作はあきらかに オリジナリティの片鱗を感じさせるものでした。現代を取り巻くメディア環境、皮膚感覚そのものをヴィジュアライズしていて、新たな共有、共感への可能性をも感じさせます。
   
鈴木成一次点  
青依青(あおい・あお)  
物語がすでにそうあることの自明性において瞠目です。確固たる世界観と表現力が見る者を強く惹きつけ牽引します。
   
丸山一葉(まるやま・かずは)  
現代の多様化、複雑化する人間関係を軽々飄々とカリカチュアライズす る、一種アクロバティクな技に感服してしまいます。
   

鈴木成一さん総評

近年になく、ヴァリエーションの拡がりと質的向上が感じられました。 406名の参加者に対し二次通過は32名、三次通過が15名でした。この15名を候補者として受賞者3名を選考するわけですが、とくに次点ではあまりに悩ましい状況でいっそのことその全員に与えてしまおうかと思ったくらいです。二次通過者はどれも仕事へ直結する力量を十分持ち合わせていますので、主催者を通じて各自是非ともポートフォリオを私の事務所宛送付下さい。今回は審査員ながら己の活動のポテンシャルを引き上げられたような不思議でお得な体験でした。

鈴木成一さん最終選考
最終選考者…新井眞美 大場ケンイチ 杉山真依子 スズキタカノリ 辻川奈美 土屋祐子 山浦のどか(東京都)熊谷玲 合田里美 檜垣春帆 ミヨシ(神奈川県)松田学(大阪府)

(鈴木成一さん審査のながれ 一次審査→二次審査→最終選考)


 
山口はるみ賞 大谷美保子(おおたに・みほこ)
 
働く人々の日常の1場面を切り取って丁寧に描かれています。自らの仕事に対する自信や深い愛情をも感じさせてくれる絵です。色彩感覚も好感がもてます。
   
山口はるみ賞次点  
川井純子(かわい・じゅんこ)  
女の子から大人の女性へ移る微妙なひとときは、真に美の一瞬だと思います。 河合さんのこの2点は、その儚い美しさをおしゃれに表現していて、筆の置きどころも見事でセンスを感じます。
   
渡辺一美(わたなべ・かずみ)  
 
老紳士を描いたこの作品、このポーズ、まさに決定的瞬間!心憎いばかり。文句のつけようのない面白さ。 2人の立つ鋪道の作品、このトリミングの妙。2点共通の、作者の上から目線も痛快です。
   
 
山口はるみさん総評

主題は「人」人物、人生、人情、どんな場面を切り取るのかが第1の課題です。100人100色、1人1人の歩んできた人生があり、見てきた世界がある故、描き出された作品の多彩さに興味がつきない審査会となりました。そしてその世界観をどのように描き出すのか、独自性、新鮮さなどを問われるのがコンペティション。選択する行為も大変です。

山口はるみさん最終選考
最終選考者… 大場ケンイチ(東京都)松田学(大阪府)

(山口はるみさん審査のながれ 一次審査→最終選考)


PATER'S Gallery COMPETITION 2017年度受賞者展
2018年2月2日(金)〜2月14日(水)開催予定
ペーターズギャラリー 12:00〜19:00 木曜日定休
受賞作品の展示と、各審査員賞に選ばれた4名はあらたに描き下ろした作品も展示します。




© Manami Fukunaga

ペーターズギャラリーコンペ2017 作品募集要項

審査員

有山達也(グラフィックデザイナー)
サイトウユウスケ(イラストレーター)
鈴木成一(グラフィックデザイナー)
山口はるみ(イラストレーター)
【敬称略・五十音順】

応募作品の中から4人の審査員が各々上位3名を選出し、賞を決定。
受賞者による作品展を当ギャラリーにて行います。 (2018年2月中旬予定)
受付期間 2017年6月3日(土)〜6月14日(水)12:00〜19:00 木曜定休
※入賞者には7月6日までにご連絡します。
テーマ テーマ「人」。人物を多く描いたイラストレーター・ペーター佐藤にちなんで、人物を題材にしたイラストレーションを募集します。
作品サイズ等 B3サイズ以下。 画材自由。 点数制限なし。
立体・半立体作品は保管の都合上、写真等でご応募下さい。
※折曲がりやすい作品は厚紙などの台紙に貼り、傷つきやすい作品の表面は透明のフィルム(アセテートフィルム等)をかけてください。 トレペ不可。 額装不可。
出品料

2点まで3,000円、3点目からは1点につき1,000円 (例:5点応募の場合、計6,000円)、郵送搬入の方は無記名の定額小為替証書もしくは普通為替(郵便局で購入可能)で作品と共にお送りください。
直接搬入の方はギャラリー受付にて現金でお支払いください。 
※応募者の都合による出品料の返金は致しません。

搬入搬出 上記の受付期間中に作品を、ペーターズギャラリーに直接搬入または搬送して下さい。郵送返却の方は返送先を記入した「着払い宅配伝票貼付の返送用封筒」または「切手貼付の返送用封筒」を同封して下さい。 直接搬出の方は7月15日〜7月31日(12:00〜19:00/木定休) の間に取りに来てください。
※搬出期間を過ぎた作品はお預かりできません。 搬出日に来られない方は必ずご連絡ください。
※作品の扱いには十分気をつけますが、万一破損・紛失した場合はご容赦願います。
応募先/お問合せ ペーターズショップ アンド ギャラリー
〒150-0001東京都渋谷区神宮前2-31-18
12:00〜19:00
Tel:03(3475)4947
Fax:03(3408)5127
mail:patersato@paters.co.jp
応募用紙はコチラをプリントアウトしてご利用ください。

■審査員プロフィール

有山達也(グラフィックデザイナー)

1993年、アリヤマデザインストア設立。第35回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。ミームデザインスクール講師。「ku:nel」(マガジンハウス)、「つるとはな」(つるとはな社)などのアートディレクション、「一九七二」(坪内祐三/文藝春秋)、「それでも日本人は戦争を選んだ」(加藤陽子/朝日出版社)、「ギケイキ」(町田康/河出書房新社)などのブックデザインを手がける。著書に『装幀のなかの絵』(港の人)がある。

「良き絵に出会えることを楽しみにしています。」

 
サイトウユウスケ(イラストレーター)

1978年生まれ。2003年バンタンデザイン研究所卒業後、フリーのイラストレーターとして活動。2008年4月号から6年間、MUSIC MAGAZINEの表紙を手がけたほか、広告、装幀、CDジャケットなどメデイア・国内外を問わず活動中。2012年作品集「NEW COLOR」をタンバリンブックスより刊行。TIS会員。www.saitoh-yusuke.com

「描かずにはいられなかった、見せずにはいられなかった、そんな作品を待っております。」

 
鈴木成一(グラフィックデザイナー)

1962年北海道生まれ。筑波大学芸術研究科修士課程中退後、1985年よりフリーに。1992年(有)鈴木成一デザイン室設立。
1994年講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。エディトリアルデザインを主として現在に至る。「鈴木成一装丁イラストレーション塾」講師。
著書に『装丁を語る。』『デザイン室』(いずれもイースト・プレス刊)、『デザインの手本』(グラフィック社)。

「あたらしい才能の発見が楽しみです。」

 
山口はるみ(イラストレーター)

松江市生まれ。 東京芸術大学油画科卒業。 西武百貨店宣伝部デザインルーム、 ヴィジュアルコミュニケーション・センターを経てフリーランス。
西武百貨店、マンズワイン、PARCO、KRIZIA、 セゾン劇場、つかこうへい劇団、劇団民藝などの広告、 Apache、話の特集、アサヒグラフ、優駿などの挿絵を制作。
Harumi Gals(PARCO出版) 映画の夢・夢の女(山田宏一氏と共著・話の特集) WOMEN(六耀社) 白い船(新潮社)
MOMA、川崎市民ミュージアム、アドミュージアム東京、CCGAに 作品収蔵。
TIS会員

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